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2005年7月28日 (木)

有限責任事業組合②

昨日の続きです。

有限責任事業組合(LLP)には、

有限責任制:出資額のみしか責任を負わない

内部自治原則:経営の自由度が高い

構成員課税:組合には課税されずに出資者である構成員に課税される

という特徴があります。

まず、有限責任制ですが、従来の代表的な組合といえば、

民法上の組合が挙げられます。

民法上の組合だと、構成員は無限責任を負わなければいけません。

それに対して、有限責任事業組合は、

出資額を限度とする有限責任を負えばいいだけなので、

従来より組合に参加しやすくなります。

有限責任事業組合とは、組合組織でありながら、

株式会社、有限会社のように有限責任のみを負えばいいのです。

次に、内部自治原則ですが、

株式会社であれば、取締役3名以上、監査役1名以上を必ず設置しなければいけません。

有限責任事業組合には、そのような制度はなくもっと自由な機関設定ができます。

要は、組合員同士の合意があれば、組合の中で自由に役割分担ができるのです。

また、株式会社であれば、出資額に応じて議決権や配当割合が決まりますが、

有限責任事業組合にはこのような制約はありません。

議決権は、出資額がいくらであろうと1人1議決権ですし、

原則として、組合員全員の同意をもって意思決定がされていきます。

配当割合についても、組合員全員の同意があれば自由に決定することができます。

例えば、資金力のあるAさんと技術力があり資金力のないBさんが、

9:1の割合で出資したとしても、

配当割合は5:5にすることが可能になります。

Aさんはお金をかけてでもBさんの技術がほしくて、

Bさんはお金はないけれども、技術力があるとします。

Aさんは、有限責任事業組合にお金をかけてもいいと考え、

Bさんは、技術力に対する報酬がもらえればいいと考えれば、

Aさんの出資額と配当割合についての合意があれば、

めでたく契約成立となります。

このようなことが、従来の株式会社ではできなかったのが、

有限責任事業組合ではできるようになるのです。

最後に、構成員課税ですが、株式会社であれば当然会社に納税義務が生じます。

しかし、有限責任事業組合であれば、組合に納税義務はなく、

組合員に直接課税されることになります。

これを構成員課税またはパススルー課税と呼んだりします。

要は、組合を通過(パススルー)して、直接構成員に課税されるからです。

例えば、短期的には利益が見込めない、研究開発事業を共同で行う場合、

今までは、合弁会社を設立して、研究開発を行ったりしていました。

しかしながら、合弁会社が赤字であったとしても、

合弁会社で税金がかからないだけで、

合弁会社に出資している会社には影響がありません。

合弁会社に出資している会社が利益をあげていた場合、

その利益と研究開発事業の損失を損益通算したほうが、

メリットがあるといえます。

そのような場合に、有限責任事業組合を設立しておけば、

組合の赤字が直接構成員の赤字になるため、

損益通算が可能になるのです。

このように、有限責任事業組合は非常に使いやすい制度だといえます。

今回は制度説明の一部を行いましたが、

今後、有限責任事業組合をどのように利用すれば

効果的か説明していきたいと思います。

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