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2005年7月 9日 (土)

東京証券取引所②

7月8日の日経新聞に東京証券取引所の上場が

1年から2年延期という記事が掲載されていました。

理由は、東京証券取引所の売買審査部門を切り離して、

上場した場合、収益構造などが大きく変わるため、

早急に上場した場合、投資家保護の観点から問題があるためです。

新聞記事では、主幹事証券会社3社が上場延期を提案したと書かれています。

私は、前から証券取引所の公開には反対だったので、

この動きには歓迎しています。

反対の理由は、前回のブログを参照してください。

http://g-goto.cocolog-nifty.com/blog/2005/06/post_02a3.html

しかし、残念なのは「そもそも株式公開するべきなのか?」

といった本質的な議論がされていないことです。

東京証券取引所の売買審査部門は、従業員の多くを占めている部門なので、

仮に売買審査部門を完全に切り離してしまうと、

財務諸表の数値が今までと全然違ったものになってきてしまいます。

したがって、売買審査部門分離後の財務諸表を公表してから、

株式公開を行なったほうが、投資家の意思決定が行ないやすいため、

売買審査部門の分離と上場延期は一体として考えるものであり、

当然の結論だといえます。

私が言いたいのはそういうことではなくて、

証券取引所が株式公開することで、取引所の公共性・中立性から勘案して、

好ましくない株主が大株主となった場合、

大きな問題が生じるのではないかと危惧しているのです。

例えば、株式公開を考えている未公開企業が

東京証券取引所の大株主となり、上場申請を出したらどうでしょうか?

東京証券取引所は、公益性・中立性を100%反映した意思決定ができるのでしょうか?

少なからず、大株主であるというプレッシャーを受けながらの

上場審査になるのではないでしょうか?

それが証券取引所のためにも、日本経済全体のためにもなるとは、

私はとても思えません。

また、売買審査部門の分離案には、売買審査部門の子会社化や

会社内部に売買審査部門を保持したまま株式公開をするといった意見もあるようです。

これでは、売買審査部門を分離する意味が全くありません。

完全に売買審査部門を分離しない限り、株主からのプレッシャーによる

判断ミスの可能性が排除できないからです。

株式公開をするをいうことは、会社が株主を選択することはできなくなるのです。

会社にとって好ましいと思わない株主でも、

自由に市場で株式を売買することができてしまうのです。

(もちろん、証券取引所なので持株比率などについて一定の規制はありますが・・・)

さらに、株式公開を行なう理由の一つとして、

東京証券取引所の売却益を手にしたいという目的があるようです。

特に、中小の証券会社の中にはインターネットの普及により、

手数料収入が大幅に落ち込み経営が非常に苦しいところもでてきています。

そのような状態の下で、東京証券取引所が株式公開を行い、

投資会社のような株主から大幅な増配要求が株主提案権によって提起された場合、

経営状態の苦しい中小の証券会社は、

その株主提案を否決することができるのでしょうか?

仮に大幅な増配が行なわれてしまい、

東京証券取引所の財務内容が大幅に悪化した場合、

取引所としての適正な経営ができるのでしょうか?

このように、上場の問題点は枚挙にいとまがありません。

もう一度、証券取引所が上場すべきかどうか?

といった本質的な議論を行なってもらいたいと思います。

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