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2005年7月 7日 (木)

資本関係のねじれ

京成電鉄の大株主に投資会社が突如現れました。

なぜ、投資会社は京成電鉄の株式を買ったのでしょうか?

京成電鉄は、東京ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドの筆頭株主でもあります。

オリエンタルランドの時価総額(注1)が約6,800億円(7月7日現在)なのに対し、

京成電鉄の時価総額は約1,800億円(7月7日現在)しかありません。

京成電鉄はオリエンタルランドの株式の22.9%を保有していますから、

オリエンタルランドの株式だけで1,557億円の価値があるといえます。

(6,800億円 × 22.9% = 1,557億円)

したがって、京成電鉄の株式を100%を取得して、

オリエンタルランドの株式をすべて売却すれば、

243億円で京成電鉄の他の事業すべてを買収できることになります。

京成電鉄は、オリエンタルランド以外にも毎年100億円程度の経常利益がある会社です。

投資会社にすれば、京成電鉄の株式を大量に取得すれば、

京成電鉄の株が安く取得できるだけでなく、

オリエンタルランドの経営にまで影響を及ぼせると考えたのでしょう。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、

ライブドア VS フジテレビの論争と全く同じなのです。

フジテレビの大株主がニッポン放送であり、

フジテレビの時価総額よりニッポン放送の時価総額が安かったのです。

ライブドアの堀江社長はそこに目をつけニッポン放送の株式を大量に取得し、

フジテレビの経営までも影響を及ぼそうとしたのです。

今では、両社の和解が成立し、ニッポン放送はフジテレビの100%子会社になりましたが、

親会社よりも子会社の価値が高いというのは、

経営の安定性の観点からは非常に危険だといえるわけです。

いつ買収されるかわからない状態では、経営に専念することができませんからね。

スーパーのイトーヨーカ堂とコンビニのセブンイレブンも同じことがいえました。

親会社であるイトーヨーカ堂よりも子会社のセブンイレブンのほうが

時価総額が大きかったのです。

イトーヨーカ堂グループは持株会社を設立し、

イトーヨーカ堂とセブンイレブンを持株会社の100%子会社とし、

持株会社の株式を公開することで、この資本関係のねじれを解消しました。

このように子が親を追い越すというのは、経営においては非常に危険な面もある

ということです。

今後、オリエンタルランドと京成電鉄の株価が大幅に動くことが予想されます。

私は「投機」的な要素が強い株は買わない主義なので、

傍観者として株価を眺めて生きたいと思います。

(注1)時価総額:株価に発行済み株式数を乗じたもの。

時価総額の金額だけ株式を取得すれば、理論的には会社の株式の100%を取得できる。

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