« 今度はTBS | トップページ | 経営者養成セミナー(第二回) »

2005年10月14日 (金)

TBSその後

新たな動きはありませんが、じっくりと分析してみると

楽天の三木谷社長は非常に良く考えられていると思いました。

楽天がTBSに対して経営統合を申し込み、

共同持株会社設立を提案したことは、昨日お話したとおりです。

ここで、問題となるのが株式移転比率です。

楽天の時価総額は約1兆円であり、TBSの時価総額は約7,000億円です。

しかし、TBSの時価総額は最近の騒動で倍以上になっているため、

数ヶ月前までの時価総額は3,500億円前後でした。

株式移転比率がどうなるかはわかりませんが、

おそらく最近数ヶ月の時価総額を平均して比率を算定するでしょうから、

株式移転比率は時価総額ベースで2:1くらいになるのではないでしょうか?

したがって、楽天のほうが有利な移転比率になるわけです。

ここまでは、ニュースなどでも報道されていたと思います。

次に問題となるのが株式移転比率のタイミングです。

楽天がTBS株式をどの程度保有してから、株式移転を実行するかということです。

おそらく、三木谷社長はTBSに対して経営統合の提案を行っても、

TBSは断固として拒否することは、ある程度予測していたと思います。

仮にTBSが拒否した場合には、TBS株式を買い増せばいいのです。

村上ファンドから株式の取得をするという選択肢もあるでしょう。

むしろある程度シェアをとってから経営統合したほうが都合がいいのです。

例えば、TBS株式の30%を取得してから経営統合した場合、

株式移転比率が2:1だとすると、

実質的な株式移転比率は2:0.7になります(計算はアバウトです)。

なぜならば、楽天はTBS株式を保有しているけれども、

TBSは楽天株式を保有していないからです。

株式移転を行った場合、楽天が保有しているTBS株式は

自社株(正確には親会社株式)となり、

議決権のない株式となります。

したがって、議決権ベースで株式移転比率を算定すると、2:0.7になるのです。

三木谷社長のグループ(社長、社長の親族、社長が実質的に支配している会社を含む)

が楽天株式の約50%を保有していますから、

このシナリオでTBSと経営統合しても、

シェアを35%から40%程度に落とすだけでTBSが傘下に入る計算になります。

そうなれば、長期戦でことを構えて、その間に、

①TBS株式の取得、

②楽天の時価総額の向上の努力

をしていけばいいのです。

TBS株式を買い増していけば、経営統合の交渉が有利になり、

株式移転比率も有利になるのです。

楽天の時価総額が上がっても株式移転比率は有利になります。

あとは、高すぎない価格でTBS株式を取得すればいいのです。

そうすれば、TBSを買収したいと考えている別の会社へ売却するという

選択肢もできます。

三木谷社長恐るべし、と思ったのでコメントさせていただきます。

あとは、TBSがどのような買収防衛策をとるかですね。

|

« 今度はTBS | トップページ | 経営者養成セミナー(第二回) »

コメント

楽天は今回のTBSとの経営統合は、困難と思う 今日この頃
楽天もかなりのダメージを受ける可能性が・・・
先生は最近どう考えてますか?

その理由として
①買収防衛策である新株予約権発行による楽天の保有率低下があります。フジテレビの場合と違い、裁判での方向性は不透明だと思います。
②TBS安定株主が60%程度(報道)でありTBS側による議決権2/3が視野に入っている現状では、公開買付で 50%越えは無理な気配・・

などを踏まえて、統合は困難であると考えます。また
先生のサイトにあった楽天の今後の展開ですが
①TBS株式の取得
について、増資までして買い増そうとしているわけですが、時間外取引を含め楽天サイドは割安に取得できない気がします。このまま取得を続けても統合できない場合、売却するわけですが、楽天の影響でTBSはかなり株価が上昇していることを考えると、その反動で売り圧力も大きく かなり下落するため損害が出ると思います。また他にTBS買収を模索している企業があれば、買ってもらえますが、赤坂の土地がいくら高くてもTBSの対応を見ると焦土作戦も辞さない感じなので難しいような気がします。
②楽天の時価総額の向上の努力
について 楽天がTBSのコンテンツを手に入れる事は本当によい事かどうか疑問があります。私がストリーミング配信のサイトを経営していると仮定した場合 ネットで配信するコンテンツは、多いほどよいと考えるからです。フジテレビや日テレなどからも、コンテンツを取得したいと考えた場合、TBSとの統合が問題になるのではないでしょうか?TBSだって楽天だけじゃなくていろんなチャンネルにコンテンツを販売したいはずです。 その辺の事情からTBS側 特にTBSの安定株主と言われている方々の不安要素になっていると思うのです。(企業価値を下げる可能性が高いので)

こんな感じですが、どう思われますか?
私は楽天 売りから入ろうと思ってます!!

投稿: カサイです。 | 2005年10月28日 (金) 16時13分

カサイさん

コメントありがとうございます。
非常に良く分析されていると思います。
また、かなり的に当たっていると思います。

楽天に一番の誤算は、
三木谷さんを始めとした経営陣が、
TBSの問題のみに注力しており、
自社の業績向上のための努力があまり感じられないということです。
経営統合の話をTBSに持ちかけたとき、
TBSが徹底抵抗することは、容易に予測できたことなのです。
となれば、TBSの買収を長期的な視点で行わなければいけないと思います。
TBSの株式をじっくりと買い増し、
その間に楽天の時価総額を増加させる努力をし、
他の企業との連携などを模索すればいいのです。
時価総額が増加すれば、株式移転比率が有利になりますし、
TBSの大株主と連携が果たせば、
株主総会の理解も得やすいからです。

そして、ある程度株式を保有した時点で、
高値で株式公開買付けを仕掛ければ、
売却せざる得ない企業は多数出てくると思います。
有利な株価で株式を売却する機会がありながら、
株式公開買付けに応じないという選択を行えば、
株主に対しての説明が困難になるからです。

安定株主が一番不安定だと思っています。
楽天のグループが過半数をとれば、
安定株主は、楽天グループにとっての安定株主になりかねないからです。
そのためには、楽天は仲間になってくれる大株主を見つけなければいけません。
それには、長期戦で事を構える必要があるのですが・・・
IT企業の社長は、短期ですね。
ときにはじっくり腰をすえて物事を成し遂げるということも必要ではないでしょうか?

最後に、このような状態の時は株式は売買しないのが鉄則です。
情勢がどのように変わるか分かりませんし、
ライブドアの時のように突然和解することもありえます。
和解すれば、確実に楽天の株価は上昇するでしょう。
私個人の見解ですが、このようなときは静観し、
株価だけをモニターするのが一番面白いですね。

投稿: G.Goto | 2005年10月28日 (金) 22時10分

先生 忙しい中応じて頂いてありがとうございます!!

今後 楽天は,銀行からの融資だけでなく転換社債を発行して得た資金でTBS株を買い増して行くような感じになると思います。その辺も楽天株下落リスクに繋がっていくような気がするのですが・・・
ただ,TBS株の買い増しによる株価上昇によって,安定株主と呼ばれる人たちが売ってくる可能性も,少なくないという判断をされているあたり流石です。次の株取得率の報告(上昇幅)を待ってそのあたりを判断したいと思います。
しばらく静観です!!

投稿: カサイです。 | 2005年10月29日 (土) 09時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/112834/6404402

この記事へのトラックバック一覧です: TBSその後:

» 1stつぶやき [管理人のつぶやき]
会計士ブログランキング管理人です。 会計士関係者限定のブログランキングサイトを新しく開設しましたが、「会計士限定」の趣旨は監査法人勤務時代に感じた「他の会計士の人ってどんな人生を送っているのか?どんな道があるのか?」って感じた疑問から生まれています。 ... [続きを読む]

受信: 2005年10月15日 (土) 11時29分

» あえてTBSを擁護してみる? [非国際人養成講座]
確かにTBSはだらしないが、同情の余地はなかっただろうか。当ブログでは一転して無謀なことを試みてみる。 なぜそんなことを今更言い出したのかというと、果たして日本の上場企業の社長の中で、ここ十年、商法を始めとした諸制度がどういう風に変えられてきたか、大まかでも..... [続きを読む]

受信: 2005年10月18日 (火) 04時52分

» 三木谷浩史氏と諸井虔氏の食い違い(続TBS株式買収問題) [時評親爺]
あの財界の重鎮(太平洋セメント相談役)諸井氏が何故か怒っているらしい。当初は諸井氏が楽天・三木谷氏とTBSの事業提携行動に理解を示していたと受け取れる発言があったのだが、ここに来て「嘘つき」だとの批判をあらわにしたらしい。私自身、この諸井氏の変心?にいろいろ混乱があったので、一連の楽天の動きと諸井氏の言動を時系列的に追ってみたい(以下の各報道機関の引用枠文中の太字・下線は筆者による)。 <13日の動き> 13日にまず13日の19時31分・yahooニュース(ラジオNIKKEI配信)で、楽天の... [続きを読む]

受信: 2005年10月19日 (水) 15時23分

« 今度はTBS | トップページ | 経営者養成セミナー(第二回) »