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2005年11月29日 (火)

景気回復は本物か?

巷では景気回復が叫ばれています。

確かに上場企業では3年連続増益となっているため、

不景気の底は越えたといえるでしょう。

銀行の不良債権処理も一段落し、危機的な場面は脱したといえます。

最近では株価も堅調に推移しています。

しかし、地方経済や中小企業を中心に業績は伸び悩んでいるように思えます。

また、国や地方経済の財政難も深刻化しているため、

歳出削減による財政再建は避けられない状況です。

これにより、特殊法人改革や公共工事の削減が行われるため、

建設業など国や地方公共団体に依存していた業種は

まだまだ先行きが不透明といえるでしょう。

個人の購買意欲も完全に回復したとはいえません。

このような状態の中で政府は大幅な増税を検討しています。

特に、所得税の定率減税の廃止や中小企業に対するIT投資減税、

登録免許税の減免措置の廃止などは次の税制改正で行われるようになりました。

財政再建下で歳入を拡大するために、増税をすることは理解できます。

しかし、増税はもっと景気の回復を確認してからでもいいのではないでしょうか?

現在の景気は、大企業のリストラによって生み出されています。

リストラを行ったということは、多くの従業員と中小企業の犠牲の下で

利益を出しているのです。

定率減税を廃止したということは、すべてのサラリーマンに対する増税になります。

現行制度が所得税の20%引き(上限25万円まで)ですから、

多くのサラリーマンの税負担が増えるといえます。

IT投資減税の廃止も同様に、多くの中小企業で法人税が増税になります。

さらに、登録免許税の増税は論外です。

金融機関の不良債権処理は一巡したとはいえ、

まだ経営難に陥っている中小企業はたくさんあります。

登録免許税が増加することによって、そのような会社の不動産の動きが鈍くなり、

かえって不良債権を増やしてしまうことになるのではないでしょうか?

景気が回復して、企業の利益が増加すれば何もしなくても法人税は増加します。

そして、業績が回復することによって、

従業員に対する配分額(給与・賞与)も増加します。

そうなれば、自然に所得税が増加します。

しばらくは、法人税・所得税の自然増で歳入を増加させるべきだと思います。

そして、2、3年後に増税を検討すべきだと思います。

今、拙速に増税することで、景気回復に水を差し、

かえって、税収が少なくなるような気がしてなりません。

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2005年11月24日 (木)

政府系金融機関は必要か?

政府系金融機関の再編について議論されています。

報道などの情報によれば、政府系金融機関の一本化の問題と

融資残高の削減の問題があるようです。

これも民営化の流れでしょうから、私も基本的に賛成です。

しかし、議論すべき問題が少しずれているような気がします。

政府系金融機関の数が融資残高が重要な問題なのではなく、

どのような融資事業を政府として行っていけばいいのか

という議論が欠落しているような気がします。

倒産防止のためのセイフティーネットの融資事業がゼロでは困るでしょうし、

民間の金融機関に相手にされないような零細企業、中小企業向けの融資も

残す必要があるでしょう。

さらに、民事再生法などの企業再生時に用いる融資事業についても

政府がどのように関わっていくか議論しなければいけません。

重要なのは何を残すかなのです。

残すべき融資事業さえ決まってしまえば、

政府系金融機関は一本化したほうがいいに決まってます。

民間の金融機関のように、一つの銀行がさまざまな目的の融資を扱えばいいのです。

そうすれば、生産性は間違いなく向上し、

無駄な税金(人件費)は確実に削減されるでしょう。

融資残高についても、残すべき融資事業が確定すれば、

政府が撤退する融資事業が確定するので、

そこから目標となる融資残高が必然的に決まるはずです。

中身が決まってないままで、融資残高50%削減など

数値目標だけ決めるのは無意味です。

かえって、政府が融資しなければいけないものまで制限されてしまい、

貸し渋りの時と同じ状況が起こります。

そうなれば、再び景気は低迷するでしょう。

もう少し内容の議論を深めていけば、結論はおのずと導かれるでしょう。

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2005年11月21日 (月)

コスト削減の功罪

一級建築士が耐震強度を偽った構造計算書を提出していたことが問題になっています。

報道によると、都内近郊で建設されたマンションやホテルなどの耐震強度が

偽造されたようです。

本来であれば、震度5強で倒壊のおそれのあるマンションなどを

この偽造によって建設されてしまったといえます。

もちろん、偽造に関与した一級建築士の責任は当然問われなければいけません。

しかし、問題はこれだけではないと思います。

長期的な景気低迷によって、行き過ぎたコスト削減が問題に根底にあるような気がします。

短期的には、コストを削減すれば利益が上がるかもしれません。

しかし、品質や顧客満足と引き換えに「安かろう悪かろう」の商品を作ってしまうと

結果的に会社に首を絞めることになりかねません。

長期的な会社の信用力を確保したまま、無駄な経費を削減するような

コスト削減が必要ではないでしょうか?

JR西日本の事件などコスト削減の方向性が少しおかしいような気がします。

当然、今回の事件は人命が危険にさらされることなり、

許されるべきではないと思います。

ただ、コストを削減すればいいというものではありません。

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2005年11月19日 (土)

過去の清算と未来への展望

三洋電機が業績予想を大幅に下方修正しました。

今回が2度目の下方修正になります。

過去にも下方修正を繰り返しており、業績予想に信憑性が非常に疑われます。

特に、三洋電機は現在経営改革の真っ最中であり、

多くの利害関係者は三洋電機の将来に注目しています。

業績の下方修正と同時に中期経営計画も発表しています。

来年度以降は、黒字化の計画ですが、

計画の具体的な中身は明確ではなく、

来年度以降の計画の信憑性も疑われます。

さらに、社長経験者である近藤副社長と桑野取締役相談役の退任が発表されましたが、

オーナー一族であり前会長の井植敏代表取締役の進退は明らかにされておらず、

これも中途半端な人事といわざるえないでしょう。

このような、大幅な経営改革を行うときには、

前経営陣が総退陣しないと、改革自体が絵に描いた餅になってしまいます。

井植敏代表取締役の過去の貢献度はすばらしいものがあると思いますが、

今までの経営のやり方考え方では問題があるからこそ、

大幅な経営改革が必要になったのです。

会社がそのような状態のときに、前経営陣が影響力を保持したままで、

経営改革ができるはずがありません。

前経営陣としては、自分に長年行ってきたことを否定しなければいけない部分もあるので、

経営改革すること自体が自己矛盾になってしまうのです。

しかし、過去の経営戦略が間違っていたのではなく、

今の時代には合わなくなってきただけなのです。

将来どのような経営戦略で会社を経営していくかは、

過去の経営戦略にかかわっていない経営者でないと困難だと思います。

そして、過去とのしがらみを捨てて、将来の展望を切り開く必要があります。

そのためには、会社に最も貢献した井植敏代表取締役が完全に退陣して、

三洋電機の過去の清算と未来への展望を真剣に考える必要があります。

その決断が最も重要で、経営改革の成否のすべてだと思います。

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2005年11月16日 (水)

企業経営講習会

事務所で開催した勉強会の名称です。

ほぼ毎年、顧問先企業を集めて「企業経営講習会」と題した勉強会を開いています。

今年で第九回目になります。

今年は、「ベンチャービジネスと会社法改正」をテーマにして勉強会を行いました。

まず、所長が経営哲学の講演を行った後、

私が会社法改正と税法改正をテーマにして講演を行いました。

会社法の改正は来年5月頃を予定していますが(日程は未定)、

今回は単なる制度説明ではなく、

会社法改正によって経営者の意思決定がどのように変わるのか

を中心に講演を行いました。

経営者にとって、最も重要なことは細かな制度の知識ではなく、

改正に伴って経営判断がどのようになるのかを知ることだと思ったからです。

その後、顧問先企業の社長2名に講演していただきました。

今年も多くの顧問先の参加があり非常に感謝しています。

また、講演していただいた社長の方々にもこの場を借りてお礼申し上げます。

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2005年11月12日 (土)

ドラッカー氏死去

「現代経営者の父」といわれたP.ドラッカー氏は、

主要な著書「断絶の時代」など経営者に多大なる影響を与えてきました。

私も最近、ドラッカー氏の著書「経営者の条件」を読んだばかりです。

経営の考え方が非常にわかりやすく、明快に書かれており、

まさに目からウロコでした。

今までの経営の常識的な考え方を覆すような考え方も著書によって示されており、

非常に感銘を受けたように思っています。

95歳と高齢でしたが、最近まで大学で教鞭をとるなど精力的に活動されていたので、

非常に残念でなりません。

ご冥福をお祈りします。

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2005年11月 9日 (水)

楽天業績発表

楽天の第三四半期(1月から9月)の業績が発表されました。

売上高、経常利益ともに大幅な増収増益でした。

前年同期比較では、売上高が2.6倍の810億円、

経常利益が2.2倍の234億円だったようです。

報道では、TBS株式取得のために金融機関から調達した約1,000億円の

借入金の金利が0.7%から0.8%であることも判明しました。

となると、TBSの株式配当の利回りを大きな差はないので、

計算上は、配当金で金利が支払えることになります。

さらに、楽天がTBSに対して、配当金の増額を株主提案すれば、

支払利息を配当金が上回り利益が出るかもしれません。

あまり無茶な増配要求でなければ、安定株主と呼ばれている企業も

反対する理由がないのではないでしょうか?

長期戦に持ち込みその間に、自社の企業価値を高めるのが上策でしょう。

経営統合は数年後でもいいのです。

その間にじっくりと株式を買い増し、

味方についてくれるTBSの株主を捜していけばいいのです。

楽天が不利な報道が続いていましたが、少し面白くなってきました。

楽天関連の記事は↓です。

http://it.nikkei.co.jp/business/special/rakuten_tbs.aspx?i=2005110907347an

http://it.nikkei.co.jp/business/special/rakuten_tbs.aspx?i=2005110308403an

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2005年11月 8日 (火)

税理士会研修

今日は、税理士会の登録時研修でした。

本来は、一昨年に受講していなければいけなかったのですが、

出張に延び延びになり、今年の参加になってしまいました。

税理士法や憲法など、受験生時代には勉強したことのないテーマだったので

非常にためになりました。

今日から3日間、研修会場にこもって一日中勉強の毎日です。

3日後の仕事のたまり具合を考えると想像したくありませんが、

一生に一度の経験なので、いろいろと吸収していきたいと思います。

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2005年11月 4日 (金)

楽天の動向

ニュースで報道されましたが、いろいろ大変そうです。

まず、プロ野球オーナー会議では、

一人のオーナが複数の球団の株式を保有することで問題になりました。

TBSは横浜ベイスターズの親会社ですから、

TBSの筆頭株主である楽天が横浜ベイスターズの株式を間接的に保有しているから

野球協約違反であるという見解が複数のオーナーから出されました。

確かに問題があると思いますが、

フジテレビグループもヤクルトスワローズと横浜ベイスターズの株式を保有しているので、

同じような問題があると思います。

楽天のケースが駄目なら、フジテレビのケースも駄目だという結論にしないと、

整合性が取れないと思います。

(この問題については過去のブログでも取り上げています。)

http://g-goto.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_a6fd.html

どちらか一方がOKでもう一方が駄目だという結論にするから、

オーナーが密室で政治的な意思決定を行っているという

心証をファンに与えるのではないでしょうか?

それでは、不信感が増幅するだけで、何もいいことはありません。

もう少し、透明性のある公平な議論をすべきだと思います。

例えば、第三者機関(本当はコミッショナーがその立場なのでしょうが・・・)のような機関が

公正な立場で意思決定を行うなどの措置が必要なのではないでしょうか?

オーナー会議が最高意思決定機関であるということ自体が問題なのではないでしょうか?

オーナーは、自らの野球チームの利益を最も重視するので、

オーナー会議では公正な意思決定ができるはずがありません。

プロ野球の公共性を論じるのであれば、

プロ野球全体の意思決定の仕組みを変えないといけないと思います。

少なくとも、オーナー会議を最高意思決定機関にしている人たちが、

公共性・公益性を論じること自体おかしなことだと思います。

次に、TBSの経営統合についても進展があったようです。

報道では、TBSは安定株主対策は継続し、

11月中に経営統合についても意思決定を行うと楽天側に通知したようです。

楽天はTBSの許可を得ずに株式を取得したのですから、

TBSも、企業価値が向上するのであれば、誰に株式を発行しようが自由といえるでしょう。

楽天もここが踏ん張りどころですね。

プロ野球の問題よりも、TBSとの経営統合の問題のほうが重要性が高いと思います。

今は、楽天の本業の業績を向上させ、高い株価を維持させることが重要だと思います。

TBSにとっては、楽天の時価総額が高くなっていくことこそが脅威なのです。

三木谷さんは、プロ野球の問題やTBSとの経営統合の問題に、

労力を費やすのではなく、楽天の本業に最も多くの時間を費やすべきだと思います。

楽天の業績が順調に伸びていれば怖いものは何もないですから。

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2005年11月 1日 (火)

東京証券取引所システムエラー

前代未聞の出来事です。

日本の株式市場を信頼性を損なう結果になってしまい非常に残念です。

今後の再発防止について真剣に検討していただきたいものです。

東京証券取引所は、このような状態で本当に株式公開を検討しているのでしょうか?

仮に、株式公開していれば、間違いなくストップ安になっていたでしょう。

そればかりではなく、株価が安くなったことに乗じて、

買収者が大量に株式を取得しやすくなります。

敵対的買収のリスクが高まるというわけです。

このような状態で、株式市場の公共性、中立性を保てるわけはありません。

株式公開を検討する前に、内部管理体制を整備していただきたいものです。

以前の東京証券取引所関係のブログは↓です。

http://g-goto.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/post_748a.html

http://g-goto.cocolog-nifty.com/blog/2005/06/post_02a3.html

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