ブルドック買収防衛策発動③!
さらに問題だと思うのは、今回の買収防衛策について、
ブルドックが税務当局に課税関係を確認中であり、
最終的な課税関係の裏づけが取れていない状態だということです。
言い換えれば、税務上の問題については見切り発車で、
買収防衛策を行っているといえます。
通常であれば、個別的な問題なので、私の経験からは、
税務当局が具体的な見解を出すことはないような気がします。
今回は、影響が非常に大きいので、
それに配慮する形で何らかの見解がでることも予想されますが、
課税問題は見切り発車である点は否めません。
仮に、税務当局が見解を出さずに、既存株主に対して
みなし贈与などの課税を行えば、会社はどのような責任を取るのでしょうか?
(個人的には、税務当局もそこまでしないとは思いますが。)
それこそ、会社の利益を損なう大問題だと思います。
買収防衛策に関する税制が整備されていないことも問題ですが、
それ以上に、課税問題がよくわからない資本政策を実施することは、
専門家から見て、絶対ありえない行為なのです。
特に、今回の買収防衛策は非常に影響が大きいので、
課税関係が明確になるまでは実施しないというのがセオリーです。
実施した後で、課税されましたというのでは、済まされないからです。
まあ、そんなことを言っていたら、スティールパートナーズに買収されてしまうので、
買収防衛策を発動したのでしょうが。
まだ、最高裁の見解は出ていないので、注目していきたいと思います。
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コメント
はじめまして。
とうりすがりで失礼します。
本件に興味のある会計士受験生です。
課税関係が不確定なのは無責任だと指摘されていますが、今回の場合は、特別決議を経ている以上株主の総意はとれているも同然なので、自己責任ということで問題にならないんじゃないでしょうか。
指摘されているのはそういう事とは違うのでしょうか?
浅学で恐縮なのですが、
どのように利益を損なって
誰に対して責任を負うことになるのか
ご迷惑でなければ補足して頂けないでしょうか?
投稿 けんたろう | 2007年7月14日 (土) 23時32分
けんたろうさん
コメントありがとうございます。
>課税関係が不確定なのは無責任だと指摘されていますが、今回の>場合は、特別決議を経ている以上株主の総意はとれているも同然>なので、自己責任ということで問題にならないんじゃないでしょ>うか。
>指摘されているのはそういう事とは違うのでしょうか?
おそらく、多くの株主は課税問題まで考慮していないでしょう。
今回の買収防衛策について、課税されるかどうかは、税法で明確な規定がないため、専門家でも見解は分かれると思います。
そこまで、株主に判断させるのは、個人的には酷だと思います。
また、株主総会の特別決議を経ていた場合でも、決議に反対した少数株主は保護されません。
株主に対して、みなし贈与などの課税が行われた場合、
決議に反対した少数株主にも当然課税が行われます。
少数株主から損害賠償請求または株主代表訴訟が提起された場合、会社または経営者が責任を取らなければいけない可能性があります。
決議に賛成した株主からも、課税問題に対する情報開示が不十分だと訴えを起こされる可能性も否定できません。
最悪のシナリオを検討すれば、スティールパートナーズに約23億円を支払い、既存株主に対する税金も負担しなければいけないことになります。それに対する訴訟費用なども当然発生します。そこまでのリスクを犯して、買収防衛策を行わなければいけないことが一番疑問なのです。
投稿 G.Goto | 2007年7月16日 (月) 22時15分
ご丁寧にお返事を頂き、ありがとうございます。
なるほど。そういう事が起こりうるのですね。
「そもそも買収防衛策なんかしなくても大丈夫だったんじゃないのか?」という点を指摘する意見は何度か耳にしたことがあったのですが、G.Gotoさまのような観点での指摘は今回初めてお目にかかりました。
特別決議で決めた以上は少数株主を含めて保護されないのは当然のことで、その事自体に問題はないのだとわたしは解釈していたのですが、実際にはもっとシビアな論点があるのですね。
わたしも早く試験合格して、実務の世界に入りたいです。
過去ログも少しですが拝読しました。
簡潔で読みやすく、しかも内容もある記事でとても関心致しました。また覗きに参ります。
失礼します。
投稿 けんたろう | 2007年7月19日 (木) 22時29分
けんたろうさん
コメントありがとうございます。
この問題に答えはないと思います。
それが実務の難しいところでもあり、面白いところでもあります。
実務の世界でけんたろうさんにお会いできることを楽しみにしています。
それでは、受験がんばってください。
投稿 G.Goto | 2007年7月21日 (土) 11時36分